高級トースター4機種比較[食パン編]|バルミューダ・アラジン・ビストロ・ヘルシオで焼き比べ
近年は「毎朝のトーストをよりおいしく食べたい」というニーズが高まっているのか、3万~5万円といった高価格帯のトースターが人気を集めています。しかし、各メーカー異なる技術で「おいしさ」を実現しているため、どの製品を選べばよいのか悩む人も多いようです。
そこで今回は、人気の高級トースター4機種を用意し、もっとも使用頻度の高い食パンに絞って徹底比較。6枚切り、4枚切り、冷凍した4枚切りの食パンを同じ条件で焼き比べ、各製品の焼き上がりの違いや使いやすさ、特徴を詳しく紹介します。
今回比較する「トースト」がおいしい4製品
今回は、食パントーストのおいしさに定評がある4製品を用意しました。使用したのはアラジンの「グラファイト グリル&トースター(4枚焼き)」、パナソニックの「オーブントースター ビストロ NT-D700」、ルミューダの「BALMUDA The Toaster Pro(KTT03JP)」、そしてシャープの「ヘルシオ トースター AX-WT1」の4製品です。
※価格は記事が公開された時点のものになります。
アラジン
アラジンの「グラファイト グリル&トースター(4枚焼き)」は、わずか0.2秒で発熱する「グラファイトヒータ」を採用しているのが特徴。素早くパンの表面を焼くことで、パン内部の水分の蒸発を防ぎます。今回比較した4製品のなかで唯一の4枚焼きモデル。また、操作は100~280℃の温度設定と最大15分までのタイマーをダイヤルで行うシンプルな方式。オートメニューは搭載しておらず、自分で焼き加減を調整したい人向けのモデルです。
パナソニック
パナソニックの「オーブントースター ビストロ NT-D700」は、オートメニューの優秀さとメニューの豊富さに定評があるモデルです。「うすぎりトースト」や「冷凍あつぎりトースト」など、パンの種類と焼き色を選べば、あとはトースターが食材にあわせて最適な焼き時間と火加減を自動で調整してくれます。上部には食材の中心まで熱を伝えやすい近赤外線ヒーター、下部には表面を香ばしく焼くのに適した遠赤外線ヒーターを組み合わせるなど、加熱方式も特徴的です。
バルミューダ
バルミューダの「BALMUDA The Toaster Pro(KTT03JP)」は焼き始めにスチームでパンの表面を薄い水分の膜で包み、内部の水分や香りを閉じ込める「スチームテクノロジー」が特徴。また、ただ加熱するのではなく、3つの温度帯を制御することでパンの甘みを引き出しつつトーストします。今回試用したProモデルは、食材の表面だけに焼き色を付けられる「サラマンダーモード」を搭載。トーストの焼き色を後から調整したり、グラタンやラザニアなどに香ばしい焼き目を付けたりできます。
シャープ
シャープの「ヘルシオ トースター AX-WT1」は、同社の「ヘルシオ ウォーターオーブン」シリーズで培った過熱水蒸気技術を採用したモデルです。一般的なトースターのようにヒーターで直接加熱するのではなく、100℃を超える高温の過熱水蒸気でパンを包み込み、水分を逃がさないようにトーストするのが特徴。17種類の豊富なオートメニューを搭載しており、常温・冷凍といったパンの状態に合わせてトースターが火力と焼き時間を自動調整して焼き上げます。
検証方法:5つの項目でトーストのおいしさをチェック
今回は各製品の取扱説明書に従って食パンを焼き、「焼き時間」「焼き色」「味・食感」「減水率」「内部温度」の5項目をチェックしました。焼き時間や焼き上がりはパンの厚さや状態によっても変わるため、今回はもっとも一般的な6枚切りと、関西で人気の4枚切りを用意。さらに中心まで温めながら表面を焦がさずに焼くのが難しい冷凍した4枚切りの食パンを使って比較しています。
検証結果�@:6枚切りパン(常温)
まずは最も一般的な6枚切りの食パンを使ってトースター性能をチェック。
| メーカー名 | アラジン | パナソニック | バルミューダ | シャープ |
| 焼き時間 | 3分22秒83 | 2分43秒45 | 3分39秒58 | 3分34秒39 |
| 焼き色(表) | ||||
| 焼き色(裏) | ||||
| 減水率 | (9.84%) |
|||
| 味・食感 | サクサク:★★★★☆ モチモチ:★★★★☆ |
サクサク:★★★★★ モチモチ:★★★★☆ |
サクサク:★★★★☆ モチモチ:★★★★★ |
サクサク:★★★★☆ モチモチ:★★★★★ |
| 特徴 | 香ばしさと食感のバランス | 耳までしっかり美味しい | 皮とクラムの食感のコントラスト | シルクのような滑らかなクラム |
6枚切りでは、4製品とも十分においしく焼き上がりましたが、食感にはそれぞれ異なる特徴がありました。
アラジンは、焼きムラがやや目立ちますが、表面のサクサク感と中身のモチモチ感のバランスはよく、香ばしさのコントラストが特徴的でした。ちなみに、本製品は今回唯一の4枚焼きモデルですが、4枚を一度に焼いても2枚焼きのバルミューダやシャープより短時間の焼き上がり。忙しい朝に3枚以上焼く家庭では重宝されそうです。
パナソニックは、クラム(パンの柔らかい白い部分)のモチモチ感こそやや控えめでしたが、その分、耳のサクッとした食感が際立っています。耳のおいしさでは今回の4製品で最も印象的でした。また、焼き上がりまでの時間が圧倒的に短かったのも特徴。そのうえオートメニューで失敗なく焼けるため、忙しい朝に少しでも早くトーストを用意したい人には嬉しい仕様です。
バルミューダはしっかりと香ばしい焼き色が付き、クラスト(パンの耳など表面を覆う硬い外皮や層)のサクサク感も十分。ただし、サクサク感だけならパナソニックのほうが上という印象です。一方で、クラムは4製品の中でも特に弾力があり、噛んでいて楽しいモチモチとした食感が魅力でした。
シャープは、ほかの3製品とは明らかに異なる食感です。表面には適度なサクッと感がありながら、中身はシルクのような滑らかな舌触り。減水率も5.41%と4製品で最も低く、しっとりとなめらかな仕上がりが印象的でした。モチモチとした弾力よりも、口当たりの滑らかさを好む人には特に魅力的な製品といえそうです。また、パナソニックと同じくオートメニューを搭載しており、トースターが焼き時間や火力を自動で設定。給水のひと手間は必要ですが、パンの状態に合わせて細かな設定をする必要がなく、手軽に焼ける点も魅力です。
検証結果�A:4枚切りパン(常温)
6枚切りに続いて、次は厚みのある4枚切りの食パンを焼き比べます。パンが厚くなることで、表面を香ばしく焼きながら中の水分をどれだけ残せるかがポイント。6枚切りとの仕上がりの違いにも注目しながらチェックしました。
| メーカー名 | アラジン | パナソニック | バルミューダ | シャープ |
| 焼き時間 | 3分41秒47 | 2分59秒57 | 3分38秒77 | 3分42秒75 |
| 焼き色(表) | ||||
| 焼き色(裏) | ||||
| 減水率 | (5.15%) |
(6.08%) |
(4.42%) |
(2.33%) |
| 味・食感 | サクサク:★★★★☆ モチモチ:★★★☆☆ |
サクサク:★★★★☆ モチモチ:★★★★☆ |
サクサク:★★★★★ モチモチ:★★★★☆ |
サクサク:★★★★☆ モチモチ:★★★★★ |
| 特徴 | 香ばしさのバランスがやや強め | クラストの存在感が大きめ | 優秀な焼き上がり | クラムの美味しさが魅力 |
4枚切りでは、6枚切りとはまた違った得意・不得意が見えてきました。
アラジンは表面がパリッと香ばしく、中までしっかり熱くなっており、中身も十分な弾力があります。ただし、食べてみるとクラムに加熱前を思わせるような香りが残っていたのが気になりました。
パナソニックは、表面のサクサク感と中のモチモチ感をしっかり両立したバランスのよい仕上がりです。一方で、クラストはやや厚めに感じられ、6枚切りで際立っていた軽快なサクサク感とは少し印象が異なりました。
今回、4枚切りで特に完成度が高いと感じたのがバルミューダです。薄くカリッと焼けたクラストと、程よい弾力を残したクラムのバランスが良好。特に耳の食感がよかったです。ただ、しっかり焼き色は付いているものの、香ばしさについては見た目から期待するほど強くはありませんでした。
シャープは4製品の中で最も焼き色が薄かったものの、食べてみると表面にはしっかりとサクッとした歯ごたえがあります。ただし、焼き色が淡いこともあってか、香ばしい風味はやや控えめ。一方、クラムは6枚切りと同様に滑らかさが際立ち、ほかの3製品とは明らかに異なる上質な口当たりでした。減水率もわずか2.33%と圧倒的に低く、厚切りパンでも水分をしっかり残した、しっとり感のある仕上がりが特徴です。
検証結果�B:4枚切りパン(冷凍)
最後は、冷凍した4枚切りの食パンを焼き比べます。4枚切りのような厚切りパンは、冷凍すると中心まで熱が伝わるのに時間がかかり、一般的なトースターでは「表面は焦げているのに中はまだぬるい」といった焼きムラが起こることも。そこで今回は、焼き色や食感、減水率に加えて、焼き上がり直後の中心温度も測定。表面を焦がさず、中までしっかりおいしく焼き上げられるかをチェックしました。
| メーカー名 | アラジン | パナソニック | バルミューダ | シャープ |
| 焼き時間 | 4分21秒29 | 5分41秒61 | 4分52秒58 | 4分31秒54 |
| 焼き色(表) | ||||
| 焼き色(裏) | ||||
| 減水率 | (4.26%) |
(6.75%) |
(5.32%) |
(0.11%) |
| 内部温度 | ||||
| 味・食感 | サクサク:★★★★☆ モチモチ:★★★☆☆ |
サクサク:★★★★☆ モチモチ:★★★★☆ |
サクサク:★★★★★ モチモチ:★★★★★ |
サクサク:★★★☆☆ モチモチ:★★★★★ |
| 特徴 | 中心まで温めるとやや焦げ気味 | 冷凍でも安定の美味しさ | 高い完成度の美味しさ | 過去最高のモチモチ感 |
冷凍した4枚切りでは、4製品の仕上がりにこれまで以上にはっきりとした違いが見られました。
アラジンは、280℃で中までしっかり温めると焼き色がやや濃く、人によっては少し焦げていると感じるかもしれません。とはいえ、多少の焼きムラも見られましたが、食感は表面がサクサク、中はモチモチとしており、全体的には良好な仕上がりです。一方、クラムにはややトーストしていない食パンのような香りがわずかに残っており、この点は少し気になりました。
パナソニックは、中のモチモチ感と表面のサクサク感のバランスがよく、焼き色も4製品の中で最も均一できれいに仕上がりました。中心温度は79.2℃とアラジンよりわずかに低かったものの香りもよく、食べるとしっかりとトーストした香ばしい風味が鼻に抜けます。冷凍した厚切り食パンでも、高級トースターらしい完成度の高い仕上がりでした。
バルミューダは、今回の冷凍4枚切り比較で撮影現場の評価が最も高かった製品です。耳までサクサクと軽快に焼き上がりながら、中はしっかりモチモチ。食べると小麦の香りが鼻に抜け、食パンそのものが持つおいしさを最も引き出しているように感じました。撮影現場では「冷凍していない食パンを焼いたときよりも冷凍の4枚切りパンのほうがおいしい」という声も聞かれたほどです。
シャープは、表面はサクッと焼けているものの、焼き色はやや薄く、香ばしさも控えめでした。その一方で、中はふんわりとしながら非常に滑らかな舌触り。減水率はわずか0.11%と圧倒的に低く、耳まで硬くならずモチモチとしています。また、4製品の中で食パンの甘みを最も強く感じられたのもシャープでした。香ばしさよりも、パンの水分や甘みを生かした、しっとり感を重視した仕上がりです。
今回の結果を見ると、中心温度が80℃を超えたバルミューダとシャープは、どちらもクラムのおいしさが特に際立っていました。バルミューダはモチモチとした弾力と小麦の香り、シャープは水分をたっぷり含んだ滑らかな舌触りと甘みが印象的です。仕上がりの方向性こそ異なりますが、冷凍した厚切りパンでは、中心までしっかり温度を上げることがクラムのおいしさにつながっているように感じました。
結局どれがおすすめ?4製品を使ってわかった違い
今回、3パターンの条件で食パンを焼き比べてわかったのは、高級トースターならどれを選んでも同じようにおいしく焼けるわけではないということ。サクサクとした香ばしさが得意な製品もあれば、パンの水分を残して中のおいしさを引き出す製品もあり、仕上がりには想像以上の違いがありました。また、焼き時間やオートメニューの有無など、使い勝手にも大きな差があります。
| メーカー名 | アラジン | パナソニック | バルミューダ | シャープ |
| 皮のサクサク感 | ◎ | ○ | ◎ | ○ |
| 中身のモチモチ感 | △ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 香り | ○ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 焼きムラ | △ | ◎ | ○ | ◎ |
| 手早さ | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
| 失敗の少なさ | △ | ◎ | ○ | ◎ |
| コストパフォーマンス | ◎ | ◎ | △ | ○ |
今回比較した4製品は、いずれも一般的なトースターと比べて食パンをおいしく焼くための工夫が凝らされており、焼き上がりは高水準。ただし、実際に使い比べると、操作方法から得意とする味や食感まで、それぞれに明確な違いがありました。
アラジンは、温度と時間を自分で設定するシンプルな操作が特徴です。冷凍パンなら温度を少し下げるなど、試行錯誤しながら自分好みの焼き方を追求する楽しさがあります。また、今回唯一の4枚焼きモデルなので、忙しい朝に家族分をまとめて焼きたい人にも最適です。一方、細かな調整をトースターに任せたいなら、オートメニューが充実したパナソニックとシャープが便利。どちらもパンの状態などに合わせて加熱を自動で調整してくれます。味では、パナソニックがクラストのサクサク感とクラムのモチモチ感、香ばしさのバランスに優れた優等生。シャープは小麦の甘みとクラムの滑らかな舌触りが際立っていました。そして、バルミューダは、小麦の香りとクラストのおいしさが魅力。特に冷凍した厚切りパンの完成度は高く、今回の撮影現場でも最も高い評価を集めました。価格は4製品で最も高いものの、パンの香りや食感にこだわる人なら満足できるはずです。
高級トースターとひと口にいっても「自分に最適なトースター」は製品によってさまざまです。家族分を一度に焼けること、操作の手軽さ、味の好みなど、自分がトーストに何を求めるのかを基準に選ぶことが、自分にとって最高の一枚に出会う近道だと感じました。
焦げ付きにくいセラミック塗装のグリルパン付きで、お手入れも簡単です。
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